3分でわかるパート 求人
日本の雇用社会で正社員と呼ばれる労働者の全就労人口に占める割合は、昭和六二年度には八二%であったものが、平成九年度には七七%まで減少し、一方。
パートタイマーと呼ばれる労働者の割合は、一九・四%、一○○○万人を超えるまでになっています。
また、従来の期間雇用者、嘱託者、アルバイトという雇用形態に加え、専門能力を有する契約社員制度が定着しはじめています。
さらに、在宅勤務ないし在宅勤務型の就労形態があらわれるなど、今後とも雇用形態は多様化していくと思われます。
そこでここでは、正社員との比較概念として、正社員以外の労働者を特殊雇用形態者と呼ぶことにします。
そして、この特殊雇用形態者の法律上の問題点と実務的取扱いを説明することがここの目的です。
期間雇用者(臨時工を含む)パートタイマー、契約社員などと呼称される「特殊雇用形態者」について、その法律問題と実務的取扱いを説明することを目的とするものです。
特殊雇用形態者は、使用者と直接の契約関係にあります。
これが派遣社員や下請社員との違いといえます。
そして、特殊雇用形態者が労働基準法第八条の事業場で役務を提供する場合、労働基準法が適用されるかどうかは、その契約関係に「使用従属性」が認められるかどうかによります。
そこで、期間雇用者の一形態で「嘱託」などと呼ばれることの多い専門業務従事者、そして「期間雇用者」や「パートタイマー」などと呼ばれる特殊雇用形態者が、労働基準法第九条の労働者に該当すれば、同じ事業場で使用される正社員と同様に、原則として労働基準法の各規定が適用されることになります。
あとは、就労日数が少ないパートタイマーなどについて、その就労日数が少ないという点から例外を考えることになります。
また、労働安全衛生法も正社員と同様に適用され、今度は労働時間が少ないという観点も含めてその例外的取扱いがパートタイマーなどについて検討されることになります。
さらに、労災保険法については、その適用対象者となる労働者概念が労働基準法の労働者概念と同一ですので、正社員、特殊雇用形態者の区別なく適用されますが、雇用保険、健康保険、厚生年金については、その適用に関して正社員との区別を検討する必要があります。
このように、法律の適用については、その法律の適用対象者といえるかという面から検討され、労働基準法の労働者と認定されるかぎり、原則として特殊雇用形態者も正社員と同様の法的保護を受け、例外を整理するという方向で考えればよいことになります。
専門的能力を有することを前提に「契約社員」として就労する者については、「自営業者」といえるかまたは、「労働者」というべきかの問題があり、まずこの点についての整理が必要になります。
労働条件の設定に関する問題契約の自由が支配する領域である採用や労働条件などの処遇面においては、正社員と雇用形態が違う特殊雇用形態者とでは大きな違いが生じています。
正社員と同様に適用される労働基準法は、最低の労働条件を定めるものであって、それを上まわる労働条件については、いっさい関知しません(ただし、今日の労働時間に関する規定は公正基準といえると思います)。
民法第九○条の公序良俗に関する規定も、それに違反する契約内容については、無効とする効力を有しますが、特別の事情がないかぎり契約内容が無効となる事例はあまり考えられません。
とくに、終身雇用制、年功序列型賃金体系、企業別労働組合という雇用慣行のもとで基幹業務に従事してきた男性正社員と特殊雇用形態者(とくに女性労働者)との間に労働条件面で大きな格差があるほうが当然とされ、その処遇格差について民法第九○条の公序良俗に関する規定が適用されるなどということは、あまり考えなかったのが実務の実情だったといえます。
ところが、平成八年三月一五日の長野地裁上田支部丸子警報器事件判決は、「同一(価値)労働・同一賃金の原則は、今日の労働関係を規律する実定法上の根拠を有していないが、その原則の根底にある均等待遇の理念に違反する場合、民法第九○条の公序良俗に関する違反になり得る」として、この事案については、女性の臨時社員と女性正社員の勤続年数が同一で、しかも労働内容も同一である場合、前者の賃金が後者の賃金(退職金も含む)の八割以下であるときには、許容される賃金格差の範囲を超え、その限度において会社の裁量は公序良俗違反として違法な労働契約の解消問題特殊雇用形態者をめぐる最大の争点は、労働契約解消に関する問題です。
特殊雇用形態者との労働契約解消に、解雇権濫用の法理が適用ないし解雇権濫用の法理が類推適用(以下、「解雇権濫用の法理の類推適用」という)されるかどうかについては、整理して考えなければなりません。
まず、実定法上の根拠は、民法第六二七条、六二八条、労働基準法第一九条、二○条となります。
この実定法上によれば、期間の定めのない契約であれば、一定の解雇手続きをとることにより、いつでも自由に契約を解消することができるということになります。
るとし、最終的には、その差額を不法行為にもとづく損害額として救済しました。
もちろん、この判決は控訴されましたが、その理論展開に多くの問題点を含んだまま和解となりました。
しかし雇用形態を変えれば、大幅に低い賃金などで処遇することができると考えていた実務に対する大きな警鐘であったことは事実です。
また、改正作業が進められている「パートタイム労働法」では、一部のパートタイマーにキャリア形成や教育訓練などの積極的な雇用管理改善を行うことにより、正社員の処遇に近づけることをめざしているといえます。
今後は、正社員と特殊雇用形態者の賃金を含めた処遇の格差についても注意をする必要があり、それにともない特殊雇用形態者の処遇面に関する労務管理の問題も慎重に考える必要があります。
多様化する雇用形態と法的問題期間の定めのある契約であれば争いはありますが、その期間途中の解消は原則として許されないと考えられますし、例外として「やむを得ない事由」があれば即時解消は認められます。
しかし、その事由が解消者の「責に帰すべき事由」で発生していれば、損害賠償の責任があります。
したがって、実定法上は契約期間の定めのない契約で雇用される正社員より、期間雇用者のほうが保護されている形になります。
しかし、終身雇用制という日本の雇用慣行は、正社員の労働契約の解消について会社都合の場合ばかりでなく、労働者側に責に帰すべき事由がある場合でも、解雇権濫用の法理の適用を認めることにより、正社員を厚く保護するという形態をとってきました。
これは、正社員が長期雇用を前提とし工雇用され、雇用後は社員教育と人事異動を通してキャリアを形成し、会社の基幹業務を遂行していくという点に着目していると考えられます。
そこで、期間の定めのない契約を締結した特殊雇用形態者については、実定法どおり解雇自由なのか、正社員のように解雇権濫用の法理が適用されるのかを考えなければなりません。
一方、期間雇用者については、契約期間中は法により保護されますが、期間満了になれば労働契約は当然、消滅することになります。
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